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パチンコ・パチスロはいま どう動いているのか ― 今後の動向をデータで整理
業界動向レポート
パチンコ・パチスロはいま
どう動いているのか ― 今後の動向をデータで整理
「30兆円産業」と呼ばれたパチンコ・パチスロ業界。市場全体はゆるやかな縮小が続く一方、参加人口は3年連続で増加し、若年層の回復が進んでいます。本レポートでは、市場規模・ホール数と台数の変動・台メーカーの動き・利用者動向・お客様のニーズの5つの切り口で、今後の方向性を公表データから整理します。
市場全体の動向 ― 約15.7兆円、減少は続くが減速ペースは鈍化
出典:日本生産性本部「レジャー白書2024」/矢野経済研究所(2026年3月9日発表)
パチンコ・パチスロの市場規模は約15兆7,000億円で、日本の余暇市場の22.0%を占めています(レジャー白書2024)。かつて「30兆円産業」と呼ばれた規模からは長期的な減少が続いていますが、その主な要因は2018年の遊技機規則改正に伴う機種入替、スマートパチンコ・スマートパチスロの導入、2024年の新紙幣対応など、相次ぐ設備投資の負担でした。投資余力の少ない小型店・中小ホールを中心に廃業・閉店が相次ぎました。
一方で、スマスロの登場を機にホール業績が回復し、店舗数の減少傾向は鈍化しています。ただし回復が先行したのは投資余力のある大手で、ホール経営企業の「二極化」がさらに進行している点には注意が必要です。設備投資負担が沈静化していることから、今後の減少ペースは緩やかになると予測されています。
ホール数・台数の変動 ― 「パチンコ減・パチスロ増」の逆転現象
出典:警察庁(藤商事IRページ整理)/全日遊連「組合員加盟店舗の実態調査」(2026年2月末)
ホール数は2020年末の9,035店舗から2024年末には6,706店舗まで減少。矢野経済研究所は2030年に5,600店舗(中位予測)まで減るとみています。
| 年末 | ホール数(店舗) | パチンコ設置台数(千台) | パチスロ設置台数(千台) |
|---|---|---|---|
| 2020年 | 9,035 | 2,432 | 1,572 |
| 2021年 | 8,458 | 2,338 | 1,475 |
| 2022年 | 7,665 | 2,205 | 1,358 |
| 2023年 | 7,083 | 2,077 | 1,347 |
| 2024年 | 6,706 | 1,969 | 1,355 |
| 2030年(予測) | 5,600(中位) | ― | ― |
出典:警察庁。2030年のみ矢野経済研究所の中位予測。
注目すべきはパチンコとパチスロの逆転現象です。全日遊連の加盟店舗実態調査(2026年2月末時点)によると、営業店舗数は5,762店(前年同月比207店減・新規出店ゼロ)となる一方、設置台数は下記の通り対照的な動きを見せています。
構造面では、300台以下の小型店を中心に退出が進み、集客力で有利な1,000台超の超大型店が一般化しています。人気機種の品ぞろえで超大型店に太刀打ちできない「301〜500台」クラスの減少が強まっており、1店あたり設置台数の大型化が進むことも、台数の減少幅が店舗数より小さい理由です。
台メーカーの動きと今後の方針 ― スマスロ・BT機が主戦場へ
出典:P-WORLD加盟店推計(パチスロサミット 2026年2月6日)/各社決算・エムズ「パチンコDI調査」第105回(2026年6月調査)
2025年のパチスロ新機種導入台数トップ10のうち、1位のネオアイムジャグラーEX(北電子)を除く9機種がスマスロでした。スマスロの設置比率は2025年4月にメダル機を逆転して50%を超え、2025年12月末時点でスマスロ約82.8万台対メダル機約62.6万台と差が開いています。
| 順位 | 機種名 | メーカー | 導入台数 |
|---|---|---|---|
| 1 | ネオアイムジャグラーEX | 北電子 | 約70,000台 |
| 2 | Lパチスロ 革命機ヴァルヴレイヴ2 | JB | 約36,800台 |
| 3 | L 東京喰種(トーキョーグール) | クロスアルファ | 約33,300台 |
| 4 | スマスロ 東京リベンジャーズ | サミー | 約29,900台 |
| 5 | スマスロ 新鬼武者3 | レオスター | 約25,500台 |
出典:株式会社ピーワールド・インサイト(P-WORLD加盟店の登録台数から算出した推計)。増台1位はL東京喰種(約15,500台)。
メーカーの方向性を左右するトピックは次の3点です。
2025年6月から「ボーナストリガー(BT)」機の導入が開始。ノーマルタイプとAT/ARTの中間にあたる新ゲーム性で、複数メーカーが続々と参入しています。
SANKYOの2026年3月期連結決算は売上高1,792億円(前期比6.6%減)・営業利益625億円(15.1%減)。パチンコ好調に対しパチスロ販売の減少が響きました。
ホール側の経営課題の最多回答は、すべての事業規模で「メーカーの遊技機販売の縛り」。小規模事業者では81.8%に達し、公正取引委員会による是正を望む声もあります。
遊技機購入の意向も明暗がはっきりしています。ホールの今後3カ月間の購入費意向は、パチンコ新台が▲28.6ptと抑制優勢である一方、パチスロ新台は+14.0ptと増加優勢。稼働状況DIもパチンコ▲55.7ptに対しパチスロは+32.9ptと、投資と集客の両面でパチスロが主戦場になっています。
利用者動向 ― 参加人口902万人、若年層がけん引
出典:エムズマーケティング「パチンコ・パチスロプレイヤー調査2026」速報(2026年3月下旬実施)/日遊協「パチスロプレイヤー調査2025年度」「パチンコ・パチスロファンアンケート2025」
過去1年間にパチンコまたはパチスロで遊技した参加人口は推計902万人で、前年の865万人から37万人増加。参加率も9.2%→9.6%に上昇し、2021年以降の回復傾向が3年連続で継続しています。
年齢層は明確に若返り
20代以下の参加人口は2005年の373万人から減少を続け、2021年に164万人まで低下しましたが、その後回復に転じ2026年には250万人(2021年比で約1.5倍)に達しました。参加者構成でも、パチンコ参加者に占める20代以下の割合は約2割から2割台後半へ、パチスロでは3割台前半まで拡大。一方で60代以上の割合は2018年以降低下傾向が続き、近年は1割台半ばまで縮小しています。頻度面では「月1〜2回程度」のミドルライト層の増加が目立ち、回復はヘビーユーザーだけでなくライト層にも広がっています。
使用金額は前年割れ ― 低貸玉へのシフト
日遊協の店内アンケート(2,953人回答)によると、1日の平均使用金額は22,586円。2022年〜2024年は3年連続で増加していましたが、2025年は物価高による節約志向を背景に減少に転じました。遊んでいる遊技料金も「遊びやすさ」重視へ移行しています。
| 直近1年でもっとも遊んだ遊技料金 | 割合 | 前年比 | 動向 |
|---|---|---|---|
| 20円パチスロ | 41.7% | −2.3pt | 最多だが微減 |
| 1円パチンコ | 28.6% | +5.8pt | 低貸シフトが拡大 |
| 4円パチンコ | 21.5% | −5.2pt | 高単価帯は縮小 |
お客様が求めているもの ― 「入り口」と「遊びやすさ」
出典:日遊協「パチンコ・パチスロファンアンケート2025」「パチスロプレイヤー調査2025年度」報告書の分析
調査結果から、遊技者が求めているものは次の3点に整理できます。
物価高による節約志向で、低貸玉(1円パチンコ等)の利用が拡大。一方で「パチンコがなくてはならない楽しみ」と捉える層も増えています。
「遊びやすい金額で、気軽に遊べること」が来店の前提条件になりつつあります。
02. 新しいゲーム性
スマスロ・スマパチは玉やメダルに触れない手軽さと多様なゲーム性が支持を獲得。BT機は「ノーマルとAT/ARTの中間」というコンセプトが理解され一定の評価を得ています。
「面白い機種が増えた」「遊び方の幅が広がった」ことが参加人口増加の背景と分析されています。
03. 若年層向けの接点
若年層がパチスロを始めたきっかけは「友人・知人による勧誘」が突出して高く、「ゲームセンターでの経験」「コンテンツのパチスロ化」も相対的に高い水準。
若年層特有の接点を活用した施策が有効と報告されています。
ライト層・若年層の「入り口」と「遊びやすさ」づくりが、勝ち筋の共通テーマです。
低貸玉・スマート遊技機・若年層向けの訴求という3つのキーワードは、メーカー・ホールのいずれの立場にも共通する方向性を示しています。
まとめ ― 今後の展望
出典:矢野経済研究所(2026年3月)/各種調査(本レポート内の出典を参照)
- 2026年 現在
市場は縮小基調だが減速ペースは鈍化。パチンコ減・パチスロ増の逆転、スマスロ比率50%超、参加人口3年連続増。
- 2027年
スマスロ・BT機が主戦場として定着。若年層・ライト層の取り込み施策が業界全体の共通テーマに。
- 2030年 (中位予測)
パチンコホール数5,600店舗/遊技機設置台数308.0万台。1店あたりの大型化とともに、二極化がさらに進行する見込み。
主な出典・参考資料
- 矢野経済研究所「パチンコ産業重要指標を予測(2026年)」プレスリリース(2026年3月9日)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4024 - 藤商事 投資家向け情報「パチンコ・パチスロの市場規模」(警察庁統計の整理)
https://www.fujimarukun.co.jp/corp/ir/individuals/market.html - エムズマーケティング「パチンコ・パチスロプレイヤー調査2026」速報版(Amusement Japan 2026年7月3日)
https://amusement-japan.co.jp/article/detail/10005289/ - 日本遊技関連事業協会「パチンコ・パチスロファンアンケート2025」「パチスロプレイヤー調査2025年度」サマリー(Answers 2026年3月13日)
https://a-b-answers.com/industry-new-nichiyukyo-investigation-2026-0313-01/ - 全日遊連「組合員加盟店舗の実態調査」2026年2月末(P-WORLDニュース 2026年3月18日)
https://news.p-world.co.jp/articles/33162/nippon - パチスロサミット「2025年パチスロ導入台数トップ10」(2026年2月6日)
https://www.pachislot-summit.com/column/20260206/ - エムズマーケティング「第105回パチンコ景気動向指数(DI)調査報告書」(グリーンベルト)
https://web-greenbelt.jp/post-115578/ - SANKYO 2027年3月期第1四半期決算(gamebiz 2026年8月6日)
https://gamebiz.jp/news/430653
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