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技術コラム

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パチンコ・パチスロはいま どう動いているのか ― 今後の動向をデータで整理

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業界動向レポート

パチンコ・パチスロはいま
どう動いているのか ― 今後の動向をデータで整理

 調査:2026年10月時点の公表データに基づく

「30兆円産業」と呼ばれたパチンコ・パチスロ業界。市場全体はゆるやかな縮小が続く一方、参加人口は3年連続で増加し、若年層の回復が進んでいます。本レポートでは、市場規模・ホール数と台数の変動・台メーカーの動き・利用者動向・お客様のニーズの5つの切り口で、今後の方向性を公表データから整理します。

市場全体の動向 ― 約15.7兆円、減少は続くが減速ペースは鈍化

出典:日本生産性本部「レジャー白書2024」/矢野経済研究所(2026年3月9日発表)

パチンコ・パチスロの市場規模は約15兆7,000億円で、日本の余暇市場の22.0%を占めています(レジャー白書2024)。かつて「30兆円産業」と呼ばれた規模からは長期的な減少が続いていますが、その主な要因は2018年の遊技機規則改正に伴う機種入替、スマートパチンコ・スマートパチスロの導入、2024年の新紙幣対応など、相次ぐ設備投資の負担でした。投資余力の少ない小型店・中小ホールを中心に廃業・閉店が相次ぎました。

市場規模
約15.7兆円
レジャー白書2024
余暇市場に占める割合
22.0%
余暇産業の中で最大級
2030年 ホール数予測
5,600店舗
矢野経済研究所 中位予測
308.0万台2030年の遊技機設置台数(中位予測)。1店あたりの設置台数大型化により、台数の減少幅は店舗数より小さい見込み。

一方で、スマスロの登場を機にホール業績が回復し、店舗数の減少傾向は鈍化しています。ただし回復が先行したのは投資余力のある大手で、ホール経営企業の「二極化」がさらに進行している点には注意が必要です。設備投資負担が沈静化していることから、今後の減少ペースは緩やかになると予測されています。

ホール数・台数の変動 ― 「パチンコ減・パチスロ増」の逆転現象

出典:警察庁(藤商事IRページ整理)/全日遊連「組合員加盟店舗の実態調査」(2026年2月末)

ホール数は2020年末の9,035店舗から2024年末には6,706店舗まで減少。矢野経済研究所は2030年に5,600店舗(中位予測)まで減るとみています。

年末 ホール数(店舗) パチンコ設置台数(千台) パチスロ設置台数(千台)
2020年 9,035 2,432 1,572
2021年 8,458 2,338 1,475
2022年 7,665 2,205 1,358
2023年 7,083 2,077 1,347
2024年 6,706 1,969 1,355
2030年(予測) 5,600(中位) ― ―

出典:警察庁。2030年のみ矢野経済研究所の中位予測。

注目すべきはパチンコとパチスロの逆転現象です。全日遊連の加盟店舗実態調査(2026年2月末時点)によると、営業店舗数は5,762店(前年同月比207店減・新規出店ゼロ)となる一方、設置台数は下記の通り対照的な動きを見せています。

営業店舗数(全日遊連加盟)
5,762店
前年同月比 ▲207店・新規出店ゼロ
パチンコ設置台数
171.7万台
前年同月比 ▲7.2万台と減少継続
パチスロ設置台数
126.4万台
前年同月比 +2.4万台と増加

構造面では、300台以下の小型店を中心に退出が進み、集客力で有利な1,000台超の超大型店が一般化しています。人気機種の品ぞろえで超大型店に太刀打ちできない「301〜500台」クラスの減少が強まっており、1店あたり設置台数の大型化が進むことも、台数の減少幅が店舗数より小さい理由です。

台メーカーの動きと今後の方針 ― スマスロ・BT機が主戦場へ

出典:P-WORLD加盟店推計(パチスロサミット 2026年2月6日)/各社決算・エムズ「パチンコDI調査」第105回(2026年6月調査)

2025年のパチスロ新機種導入台数トップ10のうち、1位のネオアイムジャグラーEX(北電子)を除く9機種がスマスロでした。スマスロの設置比率は2025年4月にメダル機を逆転して50%を超え、2025年12月末時点でスマスロ約82.8万台対メダル機約62.6万台と差が開いています。

順位 機種名 メーカー 導入台数
1 ネオアイムジャグラーEX 北電子 約70,000台
2 Lパチスロ 革命機ヴァルヴレイヴ2 JB 約36,800台
3 L 東京喰種(トーキョーグール) クロスアルファ 約33,300台
4 スマスロ 東京リベンジャーズ サミー 約29,900台
5 スマスロ 新鬼武者3 レオスター 約25,500台

出典:株式会社ピーワールド・インサイト(P-WORLD加盟店の登録台数から算出した推計)。増台1位はL東京喰種(約15,500台)。

メーカーの方向性を左右するトピックは次の3点です。

A. BT機の本格展開

2025年6月から「ボーナストリガー(BT)」機の導入が開始。ノーマルタイプとAT/ARTの中間にあたる新ゲーム性で、複数メーカーが続々と参入しています。

B. 大手の減収減益

SANKYOの2026年3月期連結決算は売上高1,792億円(前期比6.6%減)・営業利益625億円(15.1%減)。パチンコ好調に対しパチスロ販売の減少が響きました。

C. 「販売の縛り」が最大課題

ホール側の経営課題の最多回答は、すべての事業規模で「メーカーの遊技機販売の縛り」。小規模事業者では81.8%に達し、公正取引委員会による是正を望む声もあります。

遊技機購入の意向も明暗がはっきりしています。ホールの今後3カ月間の購入費意向は、パチンコ新台が▲28.6ptと抑制優勢である一方、パチスロ新台は+14.0ptと増加優勢。稼働状況DIもパチンコ▲55.7ptに対しパチスロは+32.9ptと、投資と集客の両面でパチスロが主戦場になっています。

利用者動向 ― 参加人口902万人、若年層がけん引

出典:エムズマーケティング「パチンコ・パチスロプレイヤー調査2026」速報(2026年3月下旬実施)/日遊協「パチスロプレイヤー調査2025年度」「パチンコ・パチスロファンアンケート2025」

過去1年間にパチンコまたはパチスロで遊技した参加人口は推計902万人で、前年の865万人から37万人増加。参加率も9.2%→9.6%に上昇し、2021年以降の回復傾向が3年連続で継続しています。

参加人口(過去1年間)
902万人
前年比+37万人・参加率9.6%
パチンコ参加人口
811万人
前年比+33万人
パチスロ参加人口
714万人
前年比+54万人(パチンコを上回る増加)

年齢層は明確に若返り

20代以下の参加人口は2005年の373万人から減少を続け、2021年に164万人まで低下しましたが、その後回復に転じ2026年には250万人(2021年比で約1.5倍)に達しました。参加者構成でも、パチンコ参加者に占める20代以下の割合は約2割から2割台後半へ、パチスロでは3割台前半まで拡大。一方で60代以上の割合は2018年以降低下傾向が続き、近年は1割台半ばまで縮小しています。頻度面では「月1〜2回程度」のミドルライト層の増加が目立ち、回復はヘビーユーザーだけでなくライト層にも広がっています。

使用金額は前年割れ ― 低貸玉へのシフト

日遊協の店内アンケート(2,953人回答)によると、1日の平均使用金額は22,586円。2022年〜2024年は3年連続で増加していましたが、2025年は物価高による節約志向を背景に減少に転じました。遊んでいる遊技料金も「遊びやすさ」重視へ移行しています。

直近1年でもっとも遊んだ遊技料金 割合 前年比 動向
20円パチスロ 41.7% −2.3pt 最多だが微減
1円パチンコ 28.6% +5.8pt 低貸シフトが拡大
4円パチンコ 21.5% −5.2pt 高単価帯は縮小

お客様が求めているもの ― 「入り口」と「遊びやすさ」

出典:日遊協「パチンコ・パチスロファンアンケート2025」「パチスロプレイヤー調査2025年度」報告書の分析

調査結果から、遊技者が求めているものは次の3点に整理できます。

01. 遊びやすさ・低貸玉

物価高による節約志向で、低貸玉(1円パチンコ等)の利用が拡大。一方で「パチンコがなくてはならない楽しみ」と捉える層も増えています。

WHY
「遊びやすい金額で、気軽に遊べること」が来店の前提条件になりつつあります。

02. 新しいゲーム性

スマスロ・スマパチは玉やメダルに触れない手軽さと多様なゲーム性が支持を獲得。BT機は「ノーマルとAT/ARTの中間」というコンセプトが理解され一定の評価を得ています。

WHY
「面白い機種が増えた」「遊び方の幅が広がった」ことが参加人口増加の背景と分析されています。

03. 若年層向けの接点

若年層がパチスロを始めたきっかけは「友人・知人による勧誘」が突出して高く、「ゲームセンターでの経験」「コンテンツのパチスロ化」も相対的に高い水準。

WHY
若年層特有の接点を活用した施策が有効と報告されています。
KEY MESSAGE

ライト層・若年層の「入り口」と「遊びやすさ」づくりが、勝ち筋の共通テーマです。

低貸玉・スマート遊技機・若年層向けの訴求という3つのキーワードは、メーカー・ホールのいずれの立場にも共通する方向性を示しています。

まとめ ― 今後の展望

出典:矢野経済研究所(2026年3月)/各種調査(本レポート内の出典を参照)

  • 2026年 現在

    市場は縮小基調だが減速ペースは鈍化。パチンコ減・パチスロ増の逆転、スマスロ比率50%超、参加人口3年連続増。

  • 2027年

    スマスロ・BT機が主戦場として定着。若年層・ライト層の取り込み施策が業界全体の共通テーマに。

  • 2030年 (中位予測)

    パチンコホール数5,600店舗/遊技機設置台数308.0万台。1店あたりの大型化とともに、二極化がさらに進行する見込み。

3つの結論

01. 縮小市場だが減速ペースは鈍化 ― パチスロが台数・投資・参加人口のすべてで牽引。

02. スマスロ・BT機がメーカーの主戦場 ― 若年層・ライト層の取り込みが勝敗を分ける。

03. 新規出店ゼロの環境下では差別化が不可欠 ― 若年層向けのコンテンツ訴求や映像面での訴求づくりが、次の主役づくりのカギ。


主な出典・参考資料

 

本レポートは2026年10月時点で公表された情報に基づいて作成しています。「予測」「見込」の数値は各調査機関の中位値であり、将来を保証するものではありません。

ビーム電子工業株式会社
長野県松本市に本社を構え、次世代ディスプレイ・光学技術を活かした製品開発を行っています。フレネルレンズ、レンチキュラー、プリズムシート、3Dフィルムなどの開発から製造まで、国内一貫体制でスピーディに対応します。

 

  

筆者紹介

小松元大

小松 元大(こまつ もとはる)1983年韓国生まれ

2011年よりビーム電子工業株式会社勤務。韓国語での対応も可能。
映像制作業務を担当し、遊技機向けや広告用など映像の提案を行う。
製品紹介動画や技術資料の作成、WEBコラム執筆、広報・情報発信も行っています。

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