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三次元に見える仕組み
人の目は、鼻を境に左右に分かれていて、目と目の間の距離分の視差が生まれます。その異なる目の位置から物を同時に見た場合、左右の目で見る映像は同じものではなく、少し異なるものになります。これを両眼視差といいます。この違いを脳内で処理して立体的に見ることができます。三次元画像製作には、右目用と左目用の視差のある画像を同時に見せる仕組みが必要です。
左右目の分離方法
■メガネを利用する
(1)アナグリフ方式
(2)偏光フィルター方式
(3)液晶シャッター方式
■メガネを利用しない
(4)パララックスバリア方式
(5)レンチキュラーレンズ方式
(1)アナグリフ方式
3Dアナグリフ法は、左用と右用に視差がある映像をそれぞれ映写し、赤と青フィルターレンズのメガネをかけて映像を分離します。赤フィルターで青の映像を、青フィルターで赤の映像を見ることで、左右の目に必要なの映像のみが届き、立体的に見ることができる仕組みです。
アナグリフ方式は1915年頃からの表示方式で技術的に最も簡単で低コストなものです。赤と青のカラーフィルタをとおすため、カラーバランスは崩れてしまいがちです。また生成される映像の画質が落ちるため、長期間3D映像を見ていると疲れやすいです。
(2)偏光フィルター方式
光は電磁波の一種で振動方向は進行方向に垂直のほか、あらゆる向きに振動します。
この振動方向のうち、一方向だけを透過させる方法のものが偏光フィルター方式です。垂直と水平の偏光フィルターメガネをかけて分離します。垂直用フィルターで垂直映像を、水平用フィルターで水平映像を見ることで、左右の目に必要なの映像のみが届き、立体的に見ることができる仕組みです。偏光フィルターは、細長い分子や結晶などが向きを揃えて配列しており、その方向に沿った振動成分のみを透過する性質があります。
入射光がフィルターの向きと同じ方向に偏光していたら透過光は入射光と全く同じであり、入射光がフィルターと90°垂直向きに偏光していたら透過しません。
視差のある画像を異なる角度の偏光フィルターメガネをかけて左右の目で見ることによって、3D効果が実現されます。アナグリフ方式と違って、カラー画像で奥行きや立体感を表現できるので、没入感の視聴体験が可能です。
劇場など観察者が落ち着いた観覧できる場合、単体透過率と直交消光率が高い直線偏光方式が使用されます。3Dテーマパークの乗り物など観察者の頭が動く場合は、円偏光式が使用されます。
(3)液晶シャッターメガネ方式
両眼視差による立体視は、右眼用と左眼用の映像を別々に生成し、その映像を交互に表示して映像と同期してメガネレンズを開閉して見る方式です。映像と液晶シャッターを同期させる必要があるほか、同期速度が遅い(フレームレートが低い)と「カクカク」の動きになります。
ディスプレイの表示は、1秒間に何回も書き替えられています。テレビの場合, この書き換えは1秒間に約60回, パソコンのディスプレイで大体60回から85回くらい行われています。この書き換え頻度のことを, リフレッシュレートと呼びます。
(4)パララックスバリア方式
画像の手前にパララックスバリアを置いて、ある距離から 見ると左右の目に別々の画像を分離して見ることが出来る。この時に両眼視差が生まれます。バリアは画像を並べた周期 と同じ周期であり、開口部の幅は要素画像と同じにします。
欠点としては、バリア部分で光が遮られて液晶の輝度が低下(およそ40%低下)し暗くなります。通常、メガネを使わずに立体像が見られる立体視方式の一種です。パララックスバリアを用いた立体ディスプレイは、パララックスステレオグラム、パララックスバリア式立体ディスプレイなどよ呼ばれます。パララックスバリアのスリットの幅やピッチは、画像表示面のRGB画素ピッチや視点の数によって決まります。
(5)レンチキュラーレンズ方式
裸眼立体ディスプレイでは、観察者がメガネをかけることなく、3D両眼視差を与えることができます。
通常のディスプレイに「レンチキュラーレンズ」と呼ばれる縦縞のバリアを重ねることで、右眼には右眼用の映像を、左眼には左眼用の映像を見せて、臨場感のある立体感を与えることが可能になります。
2View3D ディスプレイでは、ステレオペア画像の配列とサブピクセルRGBに合わせてレンチキュラーレンズを重ねることで、ステレオ画像を左右の目用に分離します。
必要に応じては、レンチキュラーレンズを貼合したまま映像を2D/3Dを切り替えて使うことも可能です。2D3D変換ソフトにて3D映像の生成も可能です。
臨場感のある裸眼3Dレンチキュラーレンズフィルム
以前はパララックスバリア方式を採用しているメーカーもありましたが、スリットのマスクで光を遮断してしまうので、液晶の輝度が低下してしまうため、現在では採用されていません。ビーム電子工業では、液晶パネルにレンチキュラーレンズを貼り付けて、臨場感のある裸眼3D液晶パネルを作成します。
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