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光は波か、それとも粒か?

光は波か、それとも粒か?―トーマス・ヤングの二重スリット実験とは
私たちが日々目にする「光」――その正体について、科学者たちは長い間、波なのか粒なのかを巡って議論してきました。その分岐点となったのが、トーマス・ヤングによる有名な**二重スリット実験(1801年)**です。
この実験は、光が**波動性(波のような性質)**を持つことを劇的に証明した、科学史に残る重要な実験です。
◆ ヤングの二重スリット実験とは?
ヤングの実験は非常にシンプルな構造で成り立っています。
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光源から出た光を、まず1つのスリットを通して直進させます。
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次に、2つのスリット(=二重スリット)を通過。
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その先にあるスクリーンに、光のパターンが映し出されます。
光が「粒」だった場合、スクリーンにはスリットに対応した2本の明るい帯が映るはずです。しかし、ヤングが観察したのはそれとはまったく異なるものでした。
◆ 現れたのは「干渉縞」
スクリーン上には、明暗が交互に並ぶ縞模様(干渉縞)が現れました。
これは、光が波として互いに干渉することで生じる現象です。
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山と山(同じ位相)の波が重なる → 光が強め合い「明るい縞」になる
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山と谷(逆位相)の波が重なる → 互いに打ち消し合い「暗い縞」になる
このように、干渉によって明暗が生じる=光が波の性質を持つということが証明されたのです。
◆ なぜ「打ち消し合う」のか? ― 干渉縞の相殺原理
ここで注目すべきは、**なぜ一部の光が相殺され「暗い部分」ができるのか?という点です。これには、波動特有の位相(波のタイミング)**が関係しています。
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もし2つの波が山と山、谷と谷のようにタイミングが一致していれば、重なってより高く(強く)なります。これを「強め合う干渉」といいます。
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一方、山と谷が重なると、ちょうど反対の動きになるため、互いに打ち消し合います。これを「弱め合う干渉(消光)」といいます。
ヤングの実験では、スリットを通ってきた2つの波が、スクリーン上の位置によってある点では強め合い、ある点では打ち消し合うという現象が起きており、それが「縞模様」として現れたのです。
この消光干渉が起きるには、光の波の道のりの差が「波長の半分(λ/2)」やその奇数倍になる必要があります。逆に、道のりの差が「波長の整数倍(λ, 2λ, 3λ…)」になると強め合いが起きます。
◆ 粒子説との違いと光の二重性
もし光が完全に粒子なら、干渉縞のような模様は生じず、スリットの先には単なる2つの光の線が現れるだけです。干渉は波にしか起きません。
つまりこの実験は、光が「波」であることを明確に示したのです。
しかし20世紀に入り、アインシュタインによる光電効果の発見により、光はエネルギーの「粒(光子)」としても振る舞うことが分かりました。これにより、光は波と粒子の二重性を持つという、量子力学的な理解が進んでいきました。
◆ 現代へのつながり
ヤングの二重スリット実験は、その後の光学、電磁波理論、量子力学に至るまで、幅広い分野に影響を与えました。
今日では、電子や分子レベルの粒子でも同様の実験が行われ、物質もまた波の性質を持つことが分かっています(→「電子の干渉実験」など)。
◆ まとめ
トーマス・ヤングの二重スリット実験は、光の本質を問う最初の分岐点とも言える存在です。
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干渉縞の発生により、光は波として振る舞う
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消光干渉の仕組みにより、波が打ち消し合う現象が説明できる
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しかし同時に、光は粒子としてもふるまい、「二重性」を持つ
この実験は、現在の私たちの科学的な世界観に大きな影響を与え続けています。
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