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技術コラム

記事公開日

ニュートンの光学から現代ディスプレイ技術へ ~光を操る科学の進化~

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ニュートンの光学から現代ディスプレイ技術へ

~光を操る科学の進化~

■ 光学の原点 ― ニュートンの「光」への探究

近代光学の礎を築いたのが、イギリスの科学者 アイザック・ニュートン(Isaac Newton) です。
彼は17世紀に、光の本質を解き明かそうと数多くの実験を行いました。

中でも有名なのが「プリズム実験」。
太陽光をガラスプリズムに通すと、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫といった色の帯(スペクトル)が現れる現象を観察しました。
この結果からニュートンは、

「白色光は、さまざまな色の光が混ざり合ってできている」
という画期的な結論に至ります。

さらに彼は光を「粒子(コーパスキュル)」として捉え、
光の反射・屈折・干渉などを体系的にまとめた著書『Opticks(光学)』を発表。
この一冊が、近代光学の出発点となりました。


■ 色収差を克服した「反射望遠鏡」

ニュートンは光学実験を通じて、レンズの欠点にも気づきました。
それが「色収差」と呼ばれる現象です。
レンズは波長によって光の屈折率が異なるため、
赤と青で焦点位置がズレてしまうという問題がありました。

そこで彼は、**反射鏡で光を集める「反射望遠鏡」**を発明します。
この方式では屈折を使わないため、色収差がほとんど発生しません。
現在でも天文台などで使われている「ニュートン式反射望遠鏡」は、
光学設計の発想転換によって誕生した革新的な技術でした。


■ 光を「制御する」時代へ

ニュートンの時代から約400年。
私たちは今、光を“観察する”時代から、“自在に制御する”時代へと進化しています。

光の波長・屈折率・反射・透過を緻密に制御することで、
かつて想像もしなかったディスプレイ表現や映像演出が可能になりました。

ビーム電子工業では、この「光を操る技術」を応用し、
以下のような新しいソリューションを提供しています。


■ 透明スクリーン ― 光を透かし、映像を浮かび上がらせる

 

透明なアクリル面に、プロジェクターの光を選択的に拡散させることで、
まるで空間の中に映像が浮かんでいるように見える「透明スクリーン」。

これは、光の透過と反射のバランスを最適化した光学設計によって実現しています。
ニュートンが解き明かした「光の屈折と反射の法則」が、
現代では「透過型スクリーン」という新しい表現手段へと発展しました。


■ チェンジングディスプレイ ― 光の角度で変わる世界

 

もう一つの代表的な光学技術が「チェンジングディスプレイ」。
見る角度によって2つ以上の異なる画像を切り替えて見せるこの構造は、
レンチキュラー(Lenticular) と呼ばれる微細なレンズ構造を利用しています。

この技術も、ニュートンの研究した「光の入射角と反射角」の原理を応用したもの。
光の進む角度をコントロールすることで、
静止画像でも“動き”や“変化”を演出できるのです。


■ 光学の進化がもたらす、新しい表現と体験

ニュートンが発見した「光の分散」や「反射の法則」は、
今日のディスプレイ・レンズ・センサー・通信技術など、
あらゆる光学産業の基礎になっています。

そして今、ビーム電子工業では
その原理を新しい体験価値へと昇華させています。

「光を知る」から、「光をデザインする」時代へ。
ニュートンの光学は、現代のディスプレイ技術の中に今も息づいています。


💡 補足事項(より深い理解のために)

  • 光の本質について: ニュートンの粒子説は、ホイヘンスが提唱した波動説と長らく対立しました。最終的には、19世紀に入りヤングやフレネルの研究によって光の波動性が確立し、さらに20世紀にアインシュタインの光量子仮説によって光の粒子性(光子)も再認識され、現代では光は粒子と波動の両方の性質を持つ波と粒子の二重性)と理解されています。本文はニュートンの主張としては正確です。

  • スペクトルの色数: ニュートンはスペクトルを分割する際に、音階になぞらえて7色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)を定式化しました。実際にはスペクトルは連続的ですが、この7色に分ける考え方が一般に広まりました。

■ 関連リンク

 

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Mail: m.komatsu@beam-matsumoto.co.jp

 

  

  

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筆者紹介

小松元大

小松 元大(こまつ もとはる)1983年韓国生まれ

2011年よりビーム電子工業株式会社勤務。透明スクリーンやチェンジングディスプレイの営業を担当し、イベント・建築・展示分野での活用提案を行う。韓国語での対応も可能。

製品紹介動画や技術資料の作成、WEBコラム執筆、展示会・プレゼンテーションでの解説など、営業活動に加え広報・情報発信にも力を入れている。

透明スクリーン導入事例の紹介や、チェンジングディスプレイを活用したプロモーション提案など、専門知識と現場経験を活かした活動を展開中。

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