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技術コラム

記事公開日

レンチキュラーとは

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レンチキュラーとは?見る角度で変わる不思議な印刷・光学技術を徹底解説

〜チェンジングポスターや建築用迷彩ガラスなど、幅広い分野で進化するレンチキュラーの魅力〜

私たちが普段目にしている広告や展示、さらには建築ガラスの中にも、「見る角度によって見え方が変わる」不思議な表現技術が使われていることがあります。その正体が 「レンチキュラー(Lenticular)」 と呼ばれる光学技術です。

レンチキュラーは一見シンプルに見えますが、その仕組みの裏には光の屈折を緻密に制御する高度なレンズ構造が隠されています。本記事では、その基本原理から最新の活用事例までを、ビーム電子工業株式会社の視点でわかりやすく解説します。

1. レンチキュラーとは?

角度によって見え方が変化する特殊印刷・光学技術

レンチキュラーとは、複数の画像を一枚のシート上に合成し、見る角度によって異なる映像を見せる技術 のことです。
「レンチキュラーレンズ」と呼ばれる細かな縦長のレンズ(=シリンドリカルレンズ)が規則的に並び、光を方向ごとに分けて観察者の目に届ける仕組みになっています。

この技術を使うと、以下のような多彩な視覚効果を生み出すことができます。

  • チェンジング(画像切り替え)効果
     角度を変えると別の絵柄が見える。例:2枚絵・3枚絵の広告ポスターなど。

  • アニメーション効果
     連続した動きを再現。例:動いて見えるイラスト・製品紹介など。

  • 3D立体効果
     奥行きや立体感を再現。例:立体的な商品パッケージや展示物。

一見「印刷物のようで動く」「ディスプレイのようで電源がいらない」——そんな中間的な表現ができるのがレンチキュラーの大きな魅力です。


2. レンチキュラーの構造と仕組み

レンズが光を操り、見る角度によって異なる情報を伝える

レンチキュラーの仕組みは、微細なレンズ群による光の分離 によって成り立っています。

  1. まず、複数の画像を細かい縞状(インターリース画像)に分割して印刷します。

  2. その上に、透明なレンチキュラーレンズシートを密着させます。

  3. レンズが光を屈折・集光させることで、角度ごとに異なる画像だけが見える仕組みになっています。

レンズのピッチ(間隔)や厚み、焦点距離を最適化することで、視差効果や立体感を自由にコントロールできます。
このため、単なる印刷では表現できない「動き」や「奥行き」「変化」を、光学的に再現することが可能です。


3. レンチキュラーの主な種類と効果

表現目的に応じた多彩なバリエーション

レンチキュラーには用途に応じていくつかのタイプが存在します。

(1)チェンジングタイプ(2枚絵・3枚絵)

角度によって画像が切り替わる最も一般的なタイプ。
例えば「昼と夜の風景」「商品Aと商品B」「ON/OFF状態」など、2つ以上の情報を1枚で伝えたい場合に活躍します。

→ ビーム電子工業では、この技術を応用した チェンジングポスター を製品化しています。
LED照明やプロジェクションと組み合わせることで、よりインパクトのある広告表現が可能です。

(2)アニメーションタイプ

複数のコマを順に見せることで、まるで動画のように動いて見えるタイプ。
店舗ディスプレイや展示パネルなど、「動き」を通じて印象に残る演出が求められる場面に最適です。

(3)3D立体タイプ

左右の目に異なる映像を見せることで、立体感や奥行きを表現します。
映像ディスプレイの3D化にも応用されており、特別なメガネを使わずに立体視が可能です。


4. レンチキュラーの活用分野

広告から建築まで、光と視覚をデザインする

レンチキュラーは広告印刷だけでなく、近年では建築・デザイン・ディスプレイ分野 へと応用が広がっています。

(1)広告・販促ツール

  • チェンジングポスター

  • 交通広告(駅・空港・デジタルサイネージとの併用)

  • 製品展示やショーウィンドウ演出

視覚的インパクトが高く、静止画では伝わらないメッセージを効果的に訴求 できます。
特に「見る角度で変わる」という要素は、通行人の興味を引く広告演出として非常に有効です。


(2)建築・内装デザイン

レンチキュラーの光学原理は、建築用迷彩ガラス にも応用可能です。
特定の角度からだけ透過し、別の角度からは不透明に見えるため、プライバシー保護とデザイン性を両立 できます。

また、外光の反射や太陽光の角度によって模様が変化する建築ファサードデザインにも応用でき、昼夜で異なる表情を演出する建築ガラスとして注目されています。


(3)展示・イベント演出

展示会やショールームでは、「動く印刷」や「変化するビジュアル」としてレンチキュラーが活躍します。
製品紹介、企業ストーリー、デザイン展示などに導入することで、来場者に強い印象を残す体験型ビジュアル を実現します。
近年では、映像機器や透明スクリーンと組み合わせたハイブリッド演出も増えており、物理的な印刷物とデジタル映像の境界が曖昧になりつつあります。


5. レンチキュラーの今後と可能性

光学設計技術の進化が、新たなデザイン表現を切り開く

近年では、レンチキュラーレンズの精度が飛躍的に向上し、より高解像度で滑らかな映像表現が可能になりました。
また、樹脂成形やナノ加工技術の発展 により、大型サイズや曲面対応などの新しい展開も進んでいます。

これにより、

  • 建築外装の大型アートパネル

  • インテリア装飾ガラス

  • 高級ブランドのビジュアル演出

  • プロジェクションと連動する新型チェンジングディスプレイ

など、従来の“印刷”の枠を超えた応用が次々と登場しています。


6. まとめ

光をデザインする——レンチキュラーの魅力

レンチキュラーは、「静止画」と「動画」、「印刷」と「映像」の中間にある独自の表現技術です。
電源を必要とせず、見る角度だけで変化を伝えられるその仕組みは、広告、建築、展示など多様な分野で注目されています。

ビーム電子工業株式会社では、長年の光学技術をもとに、チェンジングポスター建築用迷彩ガラス といった応用製品を提供しています。
光学素材の設計からカスタム製造、用途提案まで幅広く対応可能です。

「見る角度で変わる体験」を、ぜひあなたのプロジェクトにも取り入れてみませんか?


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筆者紹介

小松元大

小松 元大(こまつ もとはる)1983年韓国生まれ

2011年よりビーム電子工業株式会社勤務。透明スクリーンやチェンジングディスプレイの営業を担当し、イベント・建築・展示分野での活用提案を行う。韓国語での対応も可能。

製品紹介動画や技術資料の作成、WEBコラム執筆、展示会・プレゼンテーションでの解説など、営業活動に加え広報・情報発信にも力を入れている。

透明スクリーン導入事例の紹介や、チェンジングディスプレイを活用したプロモーション提案など、専門知識と現場経験を活かした活動を展開中。

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