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技術コラム

記事公開日

【特集】光学技術で未来の映像体験へ──ビーム電子工業の挑戦

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透明スクリーンとチェンジングディスプレイが生み出す、新しいデジタルサイネージの世界

ビーム電子工業は、1960年の創業以来60年以上にわたり「光を操る技術」に挑み続けてきました。フレネルレンズから大型スクリーン、3Dフィルム、そして自社開発の透明スクリーン「BeamScope」やチェンジングディスプレイへ──。

本記事では、当社がどのように光学技術を磨き、そして新しい映像体験を生み出してきたのか、その歩みと未来へのビジョンを紹介します。


1|創業の原点:フレネルレンズと“映像を大きくする夢”

ビーム電子工業は、⼀眼レフ⽤フレネルレンズの製造から事業をスタートしました。
翌1961年には、初の自社製品「BeamScope」を発売。12インチ白黒テレビの前に置くだけで、20インチ以上の大画面を実現する画期的な製品でした。

当時の家庭に「映像体験の拡張」という楽しさを届け、昭和の特集番組でも取り上げられるほど話題となりました。

この成功が、当社の光学技術の基盤づくりを大きく後押しし、以降は大手メーカーからリアプロジェクションテレビやレーザーテレビのレンズ製造を受託。
100インチ超・ミクロン精度の金型加工技術を確立し、“高精度レンズメーカー”として確固たる地位を築いていきました。


2|市場変化と危機:受託生産からの脱却を迫られて

液晶テレビの大型化・海外メーカーの台頭により、受託生産の需要は徐々に減少。当社は大きな岐路に立たされました。

2021年には遊技機向け3Dフィルムの製造依頼を受け、新分野への挑戦がスタート。
精密成形技術が評価され量産化に成功し、事業を支える柱となりましたが、遊技機市場特有の繁閑差の大きさにより、生産計画は不安定なまま。

「受託だけに依存していては企業として持続できない」
「自社で価値を生み出す製品を開発しなければならない」

という強い課題意識が社内で共有され、自社開発への投資を決断しました。
この決断こそが、後に誕生する透明スクリーン「BeamScope」への第一歩でした。


3|受託メーカーから“開発メーカー”へ

──透明スクリーン「BeamScope」誕生

■ 自社ブランド製品への挑戦

ビーム電子工業の強みは、長年大手メーカーの信頼に応え続けてきた光学レンズの精密加工技術です。
しかし市場の変化により受託だけでは成長が難しく、自社技術を活かした新しい映像デバイスの開発が求められました。

“光を操る技術”という創業以来のDNAを未来へつなぐために、
透明なのに映像が浮かび上がるスクリーン の開発がスタートします。


■ 初採用の成功で全国から問い合わせ殺到

透明スクリーン「BeamScope」が初めて採用されたのは、
2025年3月に開催されたプロバスケットボールのスポーツイベント。

来場者がスクリーン裏側に立つと、マスコットキャラと共演写真が撮れる“特別フォトスポット”として大きな話題に。
テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』の「トレたま」でも紹介され、全国的な反響を呼びました。

続く「ミライ小町7周年パーティ」ではVtuberとの共演演出を担当し、公式導入へ。
透明性 × 映像表示という新しい表現が高く評価されました。


4|透明スクリーン「BeamScope」の技術解説

──高透過・高輝度を両立する独自光学構造

BeamScopeは、一般的な透過スクリーンとは異なり、
内部に独自設計のマイクロレンズ構造を形成しています。

● 特徴

  • 透過率75%のクリアな透明性
  • 超短焦点プロジェクターに最適化された光学設計
  • 高輝度ゲイン1.0以上を実現
  • 明るい環境でも高コントラスト表示
  • 施工性が高く、ショーウィンドウ・展示会に最適

3600lmのプロジェクターでは、液晶ディスプレイ並みの明るさを実現。
日中のショーウィンドウでも視認できる映像が得られます。


● 開発の最大の壁:レンズ構造へのコーティング

マイクロレンズの凹凸にムラなくコーティングするのは極めて難易度が高く、
わずかな偏りでも画質が破綻してしまいます。

材料選定・塗工方式・条件の最適化を何度も繰り返し、
“高透明・高効率反射”を両立する反射層を実現しました。


● 今後の進化:フィルムタイプへ

現在、ガラスに貼るだけで映像表示が可能なフィルムタイプ BeamScopeを開発中。

  • 設置の自由度が飛躍的に向上
  • フレーム不要でガラス一体型サイネージを実現
  • ショップ・空港・駅など大量導入に適したモデルへ

BeamScopeは高輝度化・大型化とともに、空間演出の新しい可能性を開くスクリーンとして進化し続けます。


5|第二の柱:チェンジングディスプレイ誕生の裏側

透明スクリーンと同時期に、当社は新製品の可能性を探り、
「昔ながらのチェンジング(レンチキュラー)をデジタルに応用できないか」という問いが生まれました。


■ 名古屋造形大学との出会いが転機に

「モニターにレンチキュラーレンズを貼り、視点で切り替わる作品を作りたい」
──学生から届いた一通のメールが始まり。

金型を一から作り、ついに視点で映像が変わる作品
『どっちもおんなじ』 が完成。

この成功が「モニター用レンチキュラー」の可能性を確信する大きなきっかけとなりました。


■ 技術的ブレイクスルー:チェンジングディスプレイの構造

チェンジングディスプレイは、

  • 視点によって映像が切り替わる
  • 静止画・動画どちらも対応
  • 2視点 → 4視点へ進化

という新しいサイネージ表現を実現します。

開発上の大きな壁

  • モニターごとに異なる画素配列・ガラス厚の把握
  • ピクセル単位での映像生成
  • ミクロン単位のレンズ貼り合わせ技術

これらを精密光学製造で培った技術で乗り越え、
2025年7月「光・レーザー関西」で43インチモデルを初公開。
来場者から強い反響があり、市場から多くの問い合わせが寄せられています。


6|未来へのビジョン:光で“新しい体験”をつくり続ける企業へ

ビーム電子工業は、フレネルレンズから始まり、
3Dフィルム、透明スクリーン、チェンジングディスプレイへと、
光学技術を応用した製品を次々と生み出してきました。

レンズは単なる光学部品ではありません。

光を操り、新しい体験を生み出す技術

これこそが私たちのコアバリューです。

今後も光学設計・精密加工・映像制御の技術を融合し、
未来の映像体験を創造する企業として挑戦を続けていきます。

 

お問い合わせ・試作依頼について

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提供可能な資料や過去の加工事例もご案内いたします。

【製品説明動画】透明スクリーン&チェンジングディスプレイのご紹介

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ビーム電子工業株式会社 小松
Tel: 0263-48-1650
Mail:m.komatsu@beam-matsumoto.co.jp

 

レンズの基礎について、さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

【メディア紹介】弊社製品がテレ東『トレンドたまご』、日テレ『博士は今日も嫉妬する』等で紹介されました!

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